渋谷でネズミ大量発生　再開発で居場所をなくしたネズミが大移動しているもよう

東京・渋谷の繁華街でネズミの目撃情報が相次いでいる。
コンビニエンスストアは営業休止に追い込まれ、保健所への被害相談も
この10年ほどで2倍以上になった。専門家は大規模な再開発で行動範囲が
変化している可能性を指摘する。繁殖力の高さに太刀打ちするには、
捕獲やゴミ管理など地道な対策が欠かせない。

発端は8月上旬にツイッターに投稿された動画だった。
渋谷区のコンビニ店舗内を動き回る複数のネズミ。当該店舗は営業を休止し、
商品の撤去や店内の消毒に追われた。その後、近くのアパレル店舗で
服の上をネズミが駆け回っているとされる動画も出回った。
渋谷区内で増えているネズミの被害。同区の保健所によると、
2018年度の相談は179件で、過去10年間で最も少なかった09年に比べて
2.5倍に増えた。指導する区保健所の担当者は「原因を特定できておらず、
住民に不安を与えてしまっている」と話す。

原因の一端は再開発にありそうだ。JR渋谷駅周辺では12年の「渋谷ヒカリエ」の開業を皮切りに、
大規模な再開発プロジェクトが継続的に続いている。駆除業者による「ねずみ駆除協議会」
（川崎市）の矢部辰男会長は「再開発で居場所をなくしたネズミが分散している」とみる。
ネズミの行動範囲は50メートルほどだが、巣がなくなると数日がかりで大移動することもあるという。