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【閲覧注意】後味の悪い話『隣の家の少女・ガートルード・バニシェフスキー』

   

623: 本当にあった怖い名無し:2010/07/22(木) 22:15:47 ID:Thb/ewNd0
流れぶった切りで投下。ガイシュツ覚悟で「生きている脳」筒井康隆

金持ちの男が不治の病で死の床にあった。
医者は彼に言った。「脳だけを取り出して、培養液に浸けて置けば
理論的には何百年も生き続けることができますよ」
そのうち技術が進めば、目や耳などの感覚器官の代わりになる機械も
サイボーグの手足も開発される。神経にそれを直接接続すれば
元気な体がもう一度手に入る。それまでは培養液の中でのんびりと
待てばいいのだ。

医者の甘言に乗せられ、男はそれを承諾した。
手術は無事に終了し、彼の脳髄は培養液の中に静かに浮かんでいた。
傍目にはのんびりと、安らかにたゆたっているように見えた。

術後、意識を取り戻した彼は全身の激痛に戦いた。
彼の脳髄から伸びる神経線維は全て途中で断ち切られ、裸のままで
培養液に浸されている。それが彼には全身の激痛となって感じられるのだった。

叫ぼうにもそのための口も声帯も無い。
状況を知ろうにも見るための目が無い。
誰かに話を聞こうにも、聞くための耳すらもちろん無い。
誰にも助けを求めることすらできないまま、いつまで続くのかもわからない
痛みの中で、彼は医者の言葉を思い出していた。
「理論的には何百年も」
障子に映る影Img568
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